『物理のエッセンス』は、赤い「力学・波動編」と、青い「熱・電磁気・原子編」の2冊があります。
私は「力学・波動編」(赤)しか使っていなかったので、こちらの方をメインに振り返ります。
『物理のエッセンス』基本情報
著者 | 浜島清利 |
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発行所 | 河合出版 |
形態 | 公式や解き方の解説→例題→問題 |
ページ数 | 本編165ページ 内訳 力学88ページ 波動53ページ 解答・解説42ページ |
問題数 | 計184問(例題を除く) |
『物理のエッセンス』の特徴
まとめで頭を整理
基本事項の説明を一通り終えた後に、説明や問題の解き方が簡潔にまとめられています。
問題を解く流れを定石化してくれるのは、問題を解き慣れていない人にとってはありがたいなと思いました。
また、力学編の最後にそれまでに出てきた公式が体系的にまとめられており、全体を俯瞰して見られるようになっています。
Q&Aで理解を深める
この本にはQ&Aと言うコーナーがあります。
前書きによると、よく受ける質問あるいは本質をつく疑問について回答しているです。
私は、別の本で慣性力の説明がしっくりこなかったときがあったのですが、『物理のエッセンス』で慣性力についてのQ&Aを読んで納得することができました。その他のQ&Aでも、物理の理解を深めたり疑問を解消できたりすることが多々ありました。
問題数が多い
基本情報に書いた通り、問題数が多いです。私は全ては解きませんでしたが、全問解こうとするとかなりの時間がかかると思います。
個人的には、例題だけでも基本的な解き方は押さえられると思います。私は一部しか解いていません。
表紙を外すと一味違った雰囲気になります
『物理のエッセンス』の使い方
『物理のエッセンス』(以下、エッセンス)は初学者用だと言う人が多くいますが、私はエッセンスは初学者用ではないと感じました。
最初は初学用の参考書として使っていましたが、全然分からなかったので別の参考書に切り替えました。
初学者用ではない理由
初学者用ではないと感じた理由は3つあります。
- 公式の導出が簡素だったり示されていなかったりする箇所がある。導入がないので、初めてだとなぜそのような概念を考えるのか腑に落ちにくい。
- 問題の解答解説が簡潔。単純計算で、1ページあたりに4、5問の解説が詰まっている。
- そもそも、著者はこの本を初学者用に書いていない。前書きには「用語の説明など必要だけれど退屈な所は教科書にまかせ」ていると書かれている。初学用に使うなら、教科書と一緒に使うことを想定しているはず。
わからなければ別の詳しい参考書を使えばOK
中学受験を経験した人や、頭が切れる人など、エッセンスだけでも理解できる人もいると思います。
しかし、初めてではエッセンスは分からない、理解に時間がかかるという人も少なからずいると思います。そのようであっても落ち込む必要はなく、別の初学者用の参考書を探してみるといいと思います。
インターネット上では、エッセンスを酷評するレビューも時折見受けられますが、これは(推測ですが)初学の段階でエッセンスを使って分からなかった方のレビューではないかと思います。
おすすめの使い方
私は、エッセンスは他教科でいう資料集のような、サブ的な立ち位置で使うのがいいのではないかと思ってます(実際私は受験生時代そのような使い方をしていました)。
エッセンスはパブリックイメージと実際の内容に隔たりがあるように感じるので、いろいろなレビューに惑わされず、自分に合った使い方を考えてみてください。
お読みいただきありがとうございました。